2018/05/08

干からびラン’18


みなさんは、「干からびラン」という言葉を知っていますか?

今年で12回目の開催となる東京理科大サイクリングサークル(TUSCC)さんがGWに行っている耐久系ライドイベントで、新潟県直江津市から静岡県浜松市までのおおむね450km8000mupを、三日ほどで走ります。

実は前回の第11回干からびランに参加予定だったのですが、1週間前にMTBで落車してDNSし、1年越しの参加となりました。

今年のコースはこんな感じです。


440km/8800mup(大本営発表)の日本縦断ランです。
このライドの目玉である渋峠は噴火警報?か何かでルートから外れ迂回することに。
正直ここで楽しみの7割ぐらいは消失してしまった。帰りたい。

制限時間は5/4 6:00 - 5/6 10:00の52h
エントリーしたのは全国の自転車部等からOB含め49名
僕のチームは僕、おもち、F本の三名でした。

前日10:30に京都駅に集合ということを決めていたのですが、僕はニコニコ動画のとらドラ!一挙配信で徹夜して寝坊してしまい、僕とF本、おもちの2組で新潟県直江津駅を目指します。


まさかの鈍行輪行、敦賀駅ですでに不穏な空です。この時はまだ楽しいランになるだろうなと思っていました。

福井駅で乗り換えついでに昼食
駅前には恐竜がいました。

まだ元気なF

金沢を通過してから、北陸新幹線と並走
いたるところで建設中で、完成したら東北地方のサイクリングも開拓できるかなーと思ったり。
この新幹線の高架と並走する感じは、近江人としてはビワイチ湖西側を彷彿とさせられ、帰りたくなりますね。

直江津についた時は既に真っ暗でした。
直江津…何か聞き覚えがあると思ったら、ろんぐらいだぁす!作中でAACRを完走した亜美ちゃんが誘われた日本海を見に行くライドの目的地ですね。
関東からこんなとこ目指すのか…

「帰りたい」

駅でほかの参加者の方と遭遇。少し話しながら輪行解除しました。

出走が4日6:00なので、上越の湯というところが24時間仮眠できるということで、そこでおもちと合流&就寝することに。

ほかの参加者と思われるバイクがいっぱいありました。

関西人には物珍しいマックス缶コーヒー、通称マッ缶。
F本曰く、「コーヒー風味のミルク」らしい。
補給には良い…のか?

4:30に起床し、集合場所までの通り道の途中のマクドで朝ご飯。
他の参加者たちもチラホラ起床し始めてました。

5:55ゴロに到着、間に合っていたはず。
今年は結構多いな??
理科大の二回生が例年よりかなり多いと言っていました。
ここで主催の理科大Mさんから諸注意ともろもろの連絡事項を聞き、6:00、干からびランスタートです。
天候は小雨、不安が的中しました。


雨と少しの晴れを繰り返しながら、まずは新潟県脱出を目指します。
時折雲の切れ目から除く、まだ雪をかぶった山々が、ここは長野県なのだと主張してきます。(長野県なのかは知らない)

一つ目の峠の途中でミスルートをし、登りすぎたところのソバ屋で昼食
気温はがみんみで0.7℃だったらしい。
途中で雹が降っておもちの悪天候フラグを回収したり、ソバ屋の店内のストーブで乾いたりしているうちに14:00になり、おそらく最後尾。帰りたい。


その後は快晴だったので、追いついたり離れたりを繰り返しながらゆるゆると登っていき一つ目の峠、


無難に登りながら二つ目の峠、地蔵峠へ
F本、変速がおかしい。


長野県の自然を感じながらゆるゆるポタリング。
日中は15度前後ぐらいあったのかな?
過ごしやすいライド向きの気候で、普通の春秋用の装備でも十分走れると思います。

三つ目の峠を越えて既に夜
今回の干からびでの最高地点である美ヶ原のふもとのコンビニで、これから登るか、ここで休んで翌日頑張るか話し合いながら夕食。
僕はチャーハンとパンとジュースで計1500kcal以上を摂っていました。コンビニチャーハンは神。
食べながらTwitterの干からびタグを漁っていると、3時間ほど先行して登っている人が現在頂上でー4度、風速17mとの情報が。
その情報をふまえて話し合った結果、

「眠くなるところまで行って寝よう」

ということで登坂開始

出店したらF本がスローパンクしていて、さっそく出鼻をくじかれました。
道端の気温計では現在6度。これから1300m登るというのに…

ゆるゆるとヒルクライム開始しましたが、結局本格的な登り口が始まるところの武石観光センターで、氷点下にチキって就寝。
一応、看板では気温は5℃表記でしたが、風があったのと、Garminでは3度ぐらいだったと思います。

とても星が綺麗だった。(写真を撮る余裕はなかった)

結局、獲得標高7500mほどを翌日に残すことに不安を感じながら就寝。

翌朝、昨日の走行距離をチェック。
思ったほど進んでいない。進めてない。

ここで名大?の方が追い越していきました。
まさか僕たちより後ろがいたとは…
25kmphぐらいですっ飛んでいったらしいですが、僕らは相変わらずのゆるゆるペースで登ります。
「美ヶ原」「ビーナスライン」、音の響きだけで美しさが期待できます。

ゆるゆるとした登り。
長い登坂をしていると、3%ぐらいまでは下り坂のような錯覚に陥りますよね。

登り、標高が上がるにつれ、どんどんと森の様子が変わっていく。
そろそろ森林限界なのかもしれない。
この時は日が昇るのも一緒だったので、余計に解放感が増したかな。


ほんとに昨晩登らなくて良かったかもしれない。
どうやら大陸側から強烈な寒気団がきていたようです。


日陰には雪が残る美ヶ原駐車場で、あったかい缶コーヒーと補給
ほんとに五月か???????

ここからは標高1600~1700m付近を上下するビーナスラインへ。
下っているはずなのに登らされていたりしましたが、天気も相まってとても美しかった…
GWなので大量のバイカーがいたのが印象的だった。かっこいい車もたくさんすれ違ってテンションが上がる。

200km地点でF本の膝が爆発しリタイア
また来年もある、頑張れ。超がんばれ。


ここからは二人で走る走る。
残り240km、まだ半分も来ていない。

コンビニ袋とRaphaのコントラスト

サクッと下山して諏訪市で昼飯。そう、この時点ですでに昼だった。(11:46)
そろそろ焦りの表情が見え隠れし始める僕ら。
残りは後半220km。タイムリミットが22時間後に迫っていた。

「あれが美ヶ原なのかな」

ひたすら踏む、踏む、踏む。登る、登る、登る。
しんどい。

「もう帰りたい」
「これ(後半戦)は実質帰宅ルート」
なんどこの言葉を交わしただろう。



踏み踏みし続け、弊学2回生N川リタイアの地へ巡礼
15:27
完走には「計算上は間に合う」といったところだ。
あまり長居はできない。補給を済ませ、夜のライドに備えながら走る。



峠を一つ越え、おもち激推しの道の駅のパン屋へ。
アップルパイとドーナツを食す。特にアップルパイ、これが美味い。
生地のサクサク感と林檎の酸味が程よく、間違いなく今までの人生で最高のアップルパイだったと思う。
クロワッサンは予約が必要らしく、おもちが何回も食べたかったと漏らしていたので次こそは…

最後の峠、兵越峠を越えたらもう休むスポットは無いらしいので、その手前の道の駅を目指してひた走る。

ラストから3つ目、分杭峠登頂
もう日が暮れかかっている。

ラスト2つ目の峠、地蔵峠(2回目)へ。
もうすっかり真っ暗だ。

地蔵峠を越えて22:30、道の駅へ到着すると、車中泊に交じって名大の方たちがいました。
23:00にここを出発するそう。僕らは0:00に出発を目標にして、トイレの建屋の脇で仮眠。
起床し準備。
0℃なんてことはなかったが、気温は一桁の上に風が強い中、寝袋なしでの仮眠は少しきつかった。
身体の芯が冷えている感覚がする。
ラスト一本、兵越峠を登れば後は下り基調の都市部ということで自分を奮い立たせて出発。
タイムアップまで10時間を切っていた。


暗く、道も風景も覚えていないが、おもちとなにかを話しながら登っていたら登頂していた。
頂上の駐車場には車中泊している車が多く、ライトの向きに気を使いながら看板だけ手早く撮影。
後から撮影時刻を見てみると、2:59と記録されていた。

ここからは下り基調で特に大きい山も無いと踏んでいたので、もうゴールしたものと思い安心しきっていたが、あまりの低気温に、下りなのに10kmph程度までしか出せない。

4:00前ぐらいに発見した自動販売機で缶コーヒーを買い、風が当たらない建物の陰に座り込む。
懐にコーヒーを入れて暖を取っていたところ、どうやら寝てしまっていたようで、おもちに起こされた時は辺りが明るくなってきていた。

気温が多少上がり、仮眠したら頭がちょっと冴えてきたのか、踏んでみたら32kmphぐらいで巡行でき、そのまま天竜区を抜けて北浜区へ。
そのまま浜松駅へたどり着きフィニッシュ、時刻は7:55でタイムは49h55mでした。



なんとか50時間切りは達成したのですが、ケツから3番目というなんとも微妙な結果になってしまいました。
色々と反省点が多く、耐久ラン的な要素を持つイベントへの課題点が見えてきたので収穫はありましたが…
全体的に思った通りに動けなく、不完全燃焼感が漂うイベントとなってしまいましたが、次のチャンスにも参加したいです。


最後になりましたが、主催の理科大の方々、OBのJさん、現地で話してくださった方、ほんとにありがとうございました。
またどこかの道の上で会いましょう。
丹下





















表彰式後は少し話した後、参加者の大部分が静岡県の某ハンバーグ屋さんに行きました。
肉感が凄まじく、これまでのハンバーグ感がひっくり返るにも関わらず、店名に偽りなしのさわやかな味でした。

その後、浜松から大阪まで自走帰宅しようとしましたが、雨予報の為に豊橋で断念、輪行に切り替えました。
どうやら東京方面まで自走した参加者もいたようで、ヤベェ奴がいるもんだなぁと実感したイベントでした。

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