2017/07/31

バイクパッキングとキャリアの是非について。①


色々と議論を呼びそうなタイトルですが、昨夜から今朝方にかけて、サークル員Mとバイクパッキングの是非について盛り上がったので、近々顔を合わせる機会があるだろう事が予想されるので、その前に自分の言い分を(好き勝手に)書いておこうと思います。

まず双方の言い分としては、

M「サークルのキャンプツーリングだと大容量サドルバッグとフロントバッグとトップチューブバッグなりで十分可能。キャリアはトラブルの元だから使いたくないしできるだけ使わないべき。」

ぼく「キャリアでトラブル起こす奴は何を使ってもトラブルを起こす。バイクパッキングはコスパが悪い。」

朝起きて自身の発言を見返すと言葉足らずな部分があったりなんですが、双方意訳するとこんな感じだと理解しています。

サークル内で大流行というか皆の憧れとなっているバイクパッキングスタイル、遂にキャリアの否定にまで至り。まあみんな荷物が嫌いなわけです。
なぜ同じサークル員同士でここまで意見が真正面からぶつかるのか、理由は僕がバイクパッキングスタイルに懐疑的だからに他ならないでしょう。
バイクパッキングスタイルに懐疑的というか、皆がこぞって採用したがることについて疑問符が乱れ飛んでいると言った方がより現実に近いですが。

単純に用品のみで考えた場合、バイクパッキングの基本的なスタイル(と勝手に思っている組み合わせ)は、大容量サドルバッグ+フレームバッグorトップチューブバッグ+ハンドル(周辺に取り付ける)バッグでしょうか。
一方のキャリア側としては、全国津々浦々の大学自転車部で観測できるリアキャリア+パニアバッグのスタイルとしておきましょう。(前後キャリアはさすがに重装備すぎる。ってか世界一周でもするんですかそれ)
大小さまざまな自転車用バッグがあるよねの図
僕自身は野宿・野営が予想される長期ツーリングでは前もしくは後ろのどちらかがキャリアというスタイルを採用しています。
写真が残っている範囲での僕の遍歴はざっと以下
2015年6月
2016年3月
2016年6月


2017年2月
2017年3月

自分が主に一泊以上のツーリングでしていた装備です。最後の2017年3月は野宿含めての4泊しました。
最後のスタイルを見ていると、確かにバイクパッキングでも可能な気がしてきます。
特に三枚目の2016年6月の一泊した小豆島と比較すると、泊数は四倍かつ荷物が増えるとされている寒い時期(3月)にもかかわらず荷物が減っています。
これは16年6月の小豆島ではサークルの合宿で行っていたのに対し、17年3月では個人旅行で行っているのがかなり大きな要因です。
逆説的に言えば、サークルで行動する場合は17年3月のスタイルは不可能ってことです。
なぜなのか、それは備品テントです。
我がサークルの備品テントは3~4人用でかなり大きいので、16年6月の写真だとリアキャリア天面をすべて占有しています。

確かにソロ、サークル旅行でも個人個人の自己責任で動くならお一人様ないしは二人用のテントを各自で用意してのバイクパッキングスタイルでの旅行もいいと思います。
でもそれってサークルで、集団でやる必要あります?
自分は無いと思います。一人で自己完結する人間が向かうところは個人旅行だと思います。そちらの方が自由にルートは引けるし時間管理も楽ですから。

ソロ旅に比べてサークル旅に感じる魅力は、物量が運べることだと思います。
人手だけはどうやっても人数を増やすしかありませんから。
ではその人手を使ってどう楽に旅をするか。

でもそれって3~4人で使うものですよね?代わる代わる持てばよくないですか?

上記写真の16年の小豆島では、僕がフレームを除くテントを三つ分積むという暴挙に出ていましたが、それは僕が元気だったからで、元気な人が負担を請け負うのは全然アリだと思いますよ。

少し話が脱線しましたが、負荷を減らす(=荷物を減らす)には分担・分配・削減の徹底が大事だと思います。
キャリア+パニアバッグを使うシーンで陥りがちなのが、「入るから積む」現象です。(大型サドルバッグにも言えることかもしれません)
僕はキャリアは結構好きですが、荷物を増やせるからではありません。荷物は必要最低限に+αの遊び心で十分だと思います。
(どうせキャンプ場で宿泊するならテントや調理器具類はレンタルすればいいじゃないという意見も全然アリだと思います)

キャリアとパッキングの具体的な差の話に移りますが、正しく運用したとして、どちらの方が積載力に余裕があるでしょうか?
答えはキャリアです。
僕がバイクパッキングに対して割と否定的なスタンスを取るのは、集団内には違う意見の人間がいた方がいいだろうという考えもあってのことですが、積載力の余裕の無さを懸念しています。

パッキング用アイテムはカバン類の延長だからでしょうが、たいていの品には内容量が記載されていても耐荷重が記載されていません。これがすごく不安に感じてしまいます。

仮に内容量で単純比較するなら、アピデュラのサドルバッグを例に出すと17.5L、サークル内に使用者の多いmont-bellのリア用のパニアバッグ片側(20L)にも満たない容量です。

リア用パニア片側(20L)、フロント用パニア両側(10L×2)の8~9割ほどが積めたら十分じゃないかと思うかもしれませんが、どう考えても耐荷重はそれ以下でしょう。
そりゃ金属のフレームで支えてるんだからキャリアの方が荷重に強いのは当たり前です。
(参考までに、ビンドルラックの耐荷重は約5.3kgとなっています。)

ソロツーリングだとそこまでの重装備が必要になることってそうそうないのですが、物として、25kgまでの荷重を想定しているリアキャリアと大型サドルバッグどちらが耐荷重があるのかって話です。
耐荷重に余裕があれば+αの遊び心もより積めますし、設計上の限界値以下の環境で運用した方がトラブルも少ないに決まっているのです。
バイクパッキングは経験を積んで、要るもの要らないものがはっきり見えてきた先の、上級者用のスタイルな気がしますね。
僕は最初はとりあえず何でも持って行って、使わなかったものを次回は持っていかない方法で荷物を厳選していったので、特に始めのうちは積載量に余裕がある方が「信じられます。」

少なくとも、キャリア関連のトラブルが嫌だからと安易にバイクパッキングに走ると、限界値付近もしくは越えた状態で運用する羽目になるか、間違えて削った荷物のせいで痛い目を見るかが予想され危険と考えます。

バイクパッキングは海外のアドベンチャー系ツーリストから流入して流行ったスタイルだったと思いますが、舗装路がメインで欧米人に比べて体重も軽い、いわば機材に優しい環境の日本で使うには、大荷物を積んでのツーリングよりも、荷物を削ってのファストランにマッチすると思います。
少し前に一瞬だけ言葉が流行った「モンスタークロス」みたいに、一過性のブームになって、一部のマニアのスタイルになってしまわないかとも思います。
バイクパッキング用品をフルに使った、あえて呼称するなら「フル・バイクパッキング」なら積載量的にも長期ツーリングに耐えうると予想していますが、それいくらかかるの?何人分のキャリアとパニア買えるんですか?って感じです。

ちなみに自分がファストラン的に走ろうとした時の写真はこんな感じです。
ビンドルラックを使っていますがこれは大型サドルバッグを自前では持っていないからで、こういうやり方ならパッキングは非常にいいと思います。

「サークルでキャンプツーリングをするならキャリア」というのが今の段階での僕の結論です。

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